秋田県における持続可能な生活排水処理事業の取組み

摘要

人口減少率が全国一である秋田県の生活排水処理事業は，使用料収入の減少や下水道施設の老朽化，自治体職員等の人材不足や高齢化などの課題が山積している。持続的な事業運営に向けて，県構想の見直しでは，県と市町村との広域共同化を推進し，事業運営の効率化を図ることとしており，未普及対策や集合処理を個別処理への見直し，県流域下水道を「核」とする汚水や汚泥の集約および資源化などは着実に具体化されている。今後，さらに自治体連携を加速化させるため，従前の協議会を令和元年5月に知事を会長とする全国5例目の下水道法法定協議会に移行し，さらに「広域化•共同化計画」策定に向けて中長期的な取組みを市町村とともに検討を進めているところである。今後も県は市町村の牽引役となり，生活排水処理やし尿処理の事業全体を俯瞰して，将来の住民負担の軽減に資する対策を積極的に取組むこととしている。