配水池の受水残圧利用による水質を考慮した配水エネルギー削減に関する研究

摘要

水道の一般的な送配水過程においては、配水池での受水の際、受水残庄があっても配水池で圧力解放されるため、投入されているエネルギーを有効に利用できないという課題がある。本研究では、配水池で受水する水量の一部について受水残圧を直接利用して増庄ポンプで配水する「直結配水方式」を提案するとともに、従来の全量配水池に受水する方式に比べて配水に要するエネルギーの削減率を簡便に算出できる「配水エネルギー削減率の算定式」を示した。また、直結配水の率を増やしていくと配水エネルギーの削減は進むが、配水池での滞留時間の増加に伴い水質面での課題が生じることから、配水池内での滞留時間を適正に保つ直結配水率の算定手法も考案した。これらの算定式を用いて数種類の実際の配水の時間別変動パターンにおいて配水エネルギー削減率及び直結配水率を試算し、これらの算定式が配水池からの水運用に適用できることを確認した。