車両間の拘束が高速走行時の乗り心地と急曲線の通過性能に及ぼす影響

摘要

現在，新幹線車両では隣接する車両間に取付けられた「車体間前後ダンパ」が，高速走行時の車体振動の低減に寄与している．一方，新幹線のスピードアップに伴い，特にトンネル区間における車体振動の増加が注目されている．トンネル区間では，車両まわりに変動する空気力が発生し，明り区間よりも大きな左右，ヨーイング振動を発生させる．この変動空気力は，車両の床下で発生する渦がトンネル壁と干渉し発生するものと考えられている．ここで，車体間前後ダンパのほかに，車両間で作用する剛性や減衰の要素を付加することにより，トンネル区間を含む走行振動のさらなる改善が期待される．