物資流動を交通量に変換するための考え方と物流センサスを用いた分析事例

摘要

物資流動は旅客(人の流動)とともに交通を構成する重要な流動である。しかし，人の流動に比べ，物資流動が発生する仕組み等の特徴が十分に理解されていない。物資流動は商取引により発生し，商取引では輸送条件が取り決められる。輸送条件では，一般的には五つの指標(①場所，②数量，③時間，④運賃，⑤品質)が決められ，これが輸送方法に影響を与えている。商取引は発荷主と着荷主との間で交わされるが，業種と業種のつながりと見ることができる。我々は物資流動の特徴を理解する切り口として，物資流動の発業種と着業種の組合せである業種間チャネルに着目して実態の理解に取り組hでいる。物資流動を交通量に変換するためには，原単位の設定も重要だが，どのようなカテゴライズで特徴を捉えていくか等基礎的な分析も重要であり，その初めの検討として，上記五つの指標の重要度を分析し，類似性の高い業種間チャネルを区別する過程を紹介する。