121℃滅菌対応メディカル容器用ポリエチレン

摘要

ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を溶融成形することにより、メディカル容器が生産されている。これらの容器に薬効成分を充填した医薬品、特に、直接血液中に投与される注射剤には、無菌性が厳しく求められる。無菌性を保証するため、注射剤は加熱滅菌処理されることが一般的であり、安全基準の世界標準化に伴い121℃での高温加熱滅菌がグローパルスタンダードとなっている。また、メディカル容器には、薬液の視認性が確保できる程度の透明性も求められ、日本薬局方にて規定された透明性の水準を超えることが義務づけられている。このような状況で、121℃滅菌対応メディカル容器の原料としては、透明性と耐熱性のバランスに優れるポリプロピレンやポリ塩化ビニルが広く用いられている。しかしながら、ポリプロピレンやポリ塩化ビニルは、酸化防止剤や可塑剤などの添加剤が必須であるため、最終製品への添加剤のブリードアウトが恒久的な課題となっている。また、121℃滅菌対応メディカル容器の原料として使用されるポリプロピレンには、本質的に劣る耐寒衝撃性を補うために、高価なスチレン系ゴム成分などがプレンドされている。そのため、メディカル容器市場では、ポリプロピレン系原料のコス卜の高さも問題視されている。%Polyethylenes(PE) having both excellent transparency and high heat resistance have been developed. The novel PE grades are used for containers of Pharmaceuticals needed for 121 ℃ sterilization such as injection bags composed of multi layered film and injection bottles composed of mono layered blow moldings. Since the novel PE grades are additive-free and show favorable cold resistance, the medical containers of these material can replace conventional 121℃ sterilizable medical containers, made of Polyvinyl chloride and Polypropylene. The results of DSC and SALS measurements indicated that the novel PE grades restricted the growth of the spherulites, although the melting point are quite high(128℃ ).