7ページで解説！ロボットシステム導入の進め方

摘要

食品、医薬品、化粧品、いわゆる「三品産業」の分野ではロボット導入が遅れており、その促進が課題となっている。「三品産業」以外の分野でも産業用ロボットが「半完成品」であり、生産設備として機能させるためにはシステムインテグレーションが必要であることがロボットシステム導入のハードルを上げている要因の1つとなっている。また、ロボットシステム導入を検討する過程で「人間の優秀さ」を実感することも多い。人間は検査をしながら箱詰めが可能だが、ロボットは基本的には箱詰めしか出来ない。不良品でも箱詰めするのがロボットである。この様にロボットは教えたこと(ティーチング)以外のことが出来ない。しかも人間の様に「第六感」が無いのでロボットが「何かおかしい」と異変を感じることは無い。ロボットシステムを導入しようと考えているユーザ一側の要求を100%聞こうと思うと、成立しないことが多いのが実情である。また、製面機、封面機などの食品工場で良く使われている装置とは異なりロボットシステムの運用には多少のトレーニングと技術も必要であり、ロボットシステム導入検討から導入後の運用まで担当する専任者を選抜するなどの体制も必要である。今後、人口減少への対応策、重労働、過酷な作業環境からの開放、ソーシャルディスタンスの確保などでロボットシステムの導入検討は避けられないと考える。人間の特性、ロボットの特徴を良く理解し、Performance/Costが最大となるロボットシステム構築を目標とすべきである。本寄稿文がそのきっかけとなれば幸いである。