杭基礎建物の設計におけるスウェイモデル適用の妥当性に関する検証

摘要

The first author has already proposed the sway-rocking model based design formulae for spread foundation buildings. Pile foundations have high rigidity with respect to vertical and rotational movements, and thus the sway behaviors are dominant for pile foundation buildings with small aspect ratios in particular. For pile foundation buildings, it would be beneficial if sway model based philosophy can be employed. This paper discusses the applicability of sway model to pile foundation buildings by deriving an appropriate sway model from already proposed swayrocking model based formulae with various conditions accounted for.%本論文では杭基礎建物の設計におけるスウェイモデル適用の妥当性を検証するため、スウェイモデル、限耐法、簡便法による各指標を算定し、その傾向の分析を行った。その結果得られた知見を以下にまとめる。1.直接基礎と見なして算定したスウェイモデルにおける動的相互作用効果は、限耐法のSRモデルから算定される相互作用効果とほぼ同等である。よって、スウェイモデルは限耐法と同等に機能するモデルとして設計上有用であると判断できる。2.スウェイモデルと限耐法モデルでは、平面規模の小さい建物に対しては固有周期、滅衰とも1～2割程度の差異があるが、算定される動的相互作用効果には差がない。これは固有周期の増大効果と減衰の効果が互いに打ち消しあっていることによる。3.杭の影響を考慮して算定する簡便法モデルは、スウェイモデルや限耐法モデルよりも滅衰が小さめであり、結果として動的相互作用による加速度応答比D_(SSI)の値が大きめに、すなわち動的相互作用効果が小さめに算定される。