示差走査熱量分析と顕微鏡分析によるグルコースとラクトースの加熱熔融経過の観察

摘要

D-グルコースおよびD-ラクトースを用い，示差走査熱rn量分析と光学顕微鏡分析による加熱熔融経過の観察，おrnよび走査電子顕微鏡による結晶表面の観察を行い，融点rnとの関連について検討した。rn含水α-D-グルコースの文献による融点は83℃であり，rnDSCの測定結果では，80℃付近，122℃付近と154℃付rn近の3箇所に吸熱ピークが観察された。ところが，加熱rn熔融を光学電子顕微鏡で観察した結果，83℃では熔融はrn観察されず，126℃で部分的な熔融，158℃で完全に熔融rnする様子が観察された。顕微鏡観察による熔融温度は，rn無水β-D-グルコースの文献による融点に近かった。一方，rn含水α-D-ラクトースの文献による融点は201-202℃でrnあったが，DSC吸熱曲線において，含水a-D-ラクトーrnスには146℃と219℃に2つの鋭いピークが認められた。rn顕微鏡観察では，低温側のピーク温度付近（146℃）にrnおいても，文献による融点付近（201-202℃）においても，rn結晶の熔融は観察されず，高温側のピーク温度（219℃）rn前後から着色とともに部分的な熔融が見られ，完全に熔rn融したのは229℃であった。含水α-D-グルコースをrn105℃で，含水α-D-ラクトースを120℃で乾燥させると，rnいずれも低温側の1つ目のピークが消失あるいは小さくrnなる傾向が認められた。走査電子顕微鏡観察では，含水rnα-D-グルコースを105℃で乾燥させたものと含水α-D-ラrnクトースを120℃で乾燥させたものには多数のひび割れrnが認められたことから，結晶内から水分子が抜けた可能rn性が考えられた。rn含水型グルコースと含水型ラクトースのDSC吸熱曲rn線の低温側のピークの温度では，光学顕微鏡下で熔融はrn観察されず，このピークは結晶に含まれる水分子の離脱rnによる吸熱の可能性が示唆された。