20年越しの「ノーマライゼーション」: 社会生活基本調査における障害者統計への対応

摘要

「あなた、これ誘拐ですよ！」社会福祉施設職員の怒声が響いた。私事で恐縮だが、令和3年3月末で、現在の職場での勤続20周年を迎えた。あっと言う間と振り返る諸先輩もおられたが、個人的にはやっと、遂に、という感覚だ。これまでの仕事を一言で「統計」と言っても、具体には多岐にわたる内容であったと思う。調査用品の作成もあれば、統計調査の新規創設もあった。法令の整備もあれば、オンライン回答に必要な情報システムの企画もあった。残念ながら不祥事対応や裁判に卷き込まれたこともあれば、統計行政における我が国の国際的な立場を確立するべく奔走したこともあった。