配偶関係構造の変化: 未婚化の進展と離婚率の上昇

摘要

日本社会において、最近、社会経済的格差が顕著となっていると指摘されている。格差の増大が配偶関係構成にどのような影響を与えているのであろうか？ジェームス・岩澤等の研究によれば、他の先進諸国で進行している家族形成に関わる社会経済格差の増大が、日本でも起きる可能性を示唆している。2000年の国勢調査より、初婚年齢の職業別格差や離別率の学歴格差（高卒以下の女性の離別率が、高学歴女性と比べて高い）があることなど、社会経済的格差が家族形成に影響を与えていると推測される。平成17年国勢調査の今後の集計結果が格差社会の解明に有用な情報を提供するものと、期待する。