歴史の中の統計学(35)：統計的決定関数理論

摘要

ネイマン·ピアソンの統計的推測理論が体系化されると、その仮説検定論、推定論等を含む包括的な理論を作り上げようとする試みがなされた。それがワルドの統計的決定関数論である。彼は、最初1939年にそれを統計的推定論と仮説検定論を統合する理論として提案したが、その後、逐次解析理論も含む形で体系化して1950年『統計的決定関数論』“Statistical Decision Function”として公刊した。ここでは、この本の内容の概要を紹介しよう。