流域の視点で捉える水循環モデリンゲと地下水流動解析データの工学的利用

摘要

日本列島の陸域を500mメッシュでカパーする国土水循環モデルを開発し，地下水流動解析データの工学的利用の考え方を提案した。国土水循環モデルをネスティングした詳細モデルにより地盤掘削，地下遮水壁の影響を予測した地下水流動解析データは，検証済の既存モデルと概ね整合し，設計時の地下水情報として利用可能であることを示した。本検討はデータの継続的な蓄積と再利用により，現場の時間的•コスト的制約から困難であった地下水情報の利用を進めようとする点に特徴をもつ。巨大なデータを実用速度で処理できるようになり，情報を「作る」ために必要なコストを「使う」ことへ転換することが可能である。今後は，国土水循環モデルによるリアルタイム計算，実務での適用性検証を進めていく。