平野が抱える地盤工学的課題とその対策5.関東平野における地盤工学的課題と対策

摘要

関東平野は日本最大の面積をもつ平野で，中川低地•東京低地などの低地と，武蔵野台地•大宮台地などが広がっている。江戸時代以来人口が集中し，地盤工学上の課題を解決しつつ多くの構造物が建設されてきた。最近では，土地の制約上高速道路を地下に建設せざるを得ないなど，新たな地盤工学的課題を抱えている。また，関東平野では過去に地震や風水害の被害を受けてきており，これらに対し種々の対策が行われてきている。ただし，地下水の汲み上げによってゼロメートル地帯が広く形成されてきているとか，住宅が密集しているなど，災害対策を施すにあたって地盤工学上の課題が多くある。以下にはこれらの課題とそれに対する対策状況，及び，対策を施すにあたって必要な地盤情報の整備•利活用状況について述べる。