硝酸計とアンモニア計を用いた嫌気•同時硝化脱窒処理による省エネルギー技術

摘要

東京都下水道局（以下，「当局」という。）では，放流水中に含まれる窒素およびリンの削減に向けた高度処理を平成8年度より導入してきたが，閉鎖性水域である東京湾では未だ赤潮が毎年発生するなど，さらなる水質改善が求められている。一方，下水道事業は，水処理やその過程で発生する汚泥の処理に大量のエネルギーを消費しており都の事業活動の中で最大のCO_2排出源となっていることから，水質改善とあわせて地球温暖化防止対策も進めているところである。こうした中，嫌気無酸素好気法（以下，「A_2O法」という。）の導入により高度処理を進めることで，水質の改善は進んだものの，標準活性汚泥法に比べ循環ポンプなどの新たな設備が必要となるなど，エネルギー使用量が増加することが課題となっていた。