ポリビニルアルコール（PVA）ゲルビーズ流動床によるパラニトロフェノール含有廃水の処理

摘要

ポリビニルアルコール（PVA）ゲルビーズを担体とする流動床を用いたパラニトロフェノール（PNP）含有廃水処理について検討した。10mg・l~(-1)のグルコースを共炭素源として共存させた場合には，HRT6時間で200mg・l~(-1)のPNPを安定に連続処理できたが，250mg・l~(-1)では処理が不安定になった。一方，PNPを単一炭素源とした場合には，HRT6時間で360mg・l~(-1)までのPNPを安定除去でき，PNP除去速度は容積ベースで54mg・l~(-1)・h~(-1)，バイオマス重量ベースで12.6mg・g~(-1)・h~(-1)と高い処理効率が得られた。PCR-DGGE法を用いてリアクタ内の微生物叢解析を行った結果，PNP分解能が報告されているAcidovorax属とArthrobacter属に近縁と考えられる細菌の優占化が示され，これらがPNPの分解に大きく寄与しているものと推定された。