レビュー CREST有機太陽電池シンポジウム ハイブリッド型の効率急伸 農業分野の用途開発に期待

摘要

科学技術振興機構(JST)が主催する「CREST(戦略的創造研究推進事業)有機太陽電池シンポジウム」が7月12～13日、京都大学宇治キャンパスで開催された。9回目どなる今回のシンポジウムは「用途開発と産業化への道」と題し、有機系太陽電池の技術動向、さらには有機系太陽電池の応用として有望な農業分野について、最新の研究成果が発表された。本レビューでは、効率向上が進む有機/無機ハイブリッド型など主な研究成果を報告する。◇◇◇シンポジウム冒頭では、JST-CREST「有機薄膜太陽電池の高効率化に関する研究」の研究代表で、シンポジウムの世話人でもある京都大の吉川暹特任教授が、推進中のNEDOプロジエクトについて、高分子タンデム型で10%、低分子&高分子ハイブリッド型で8.2%、さらには、モジュール効率(5cm角、東芝)で8.2%の変換効率を実現していることを報告。また、薄膜中のキャリア移動度を評価する「CELIV」という手法を用いて、P3HTとPCBMの組成を変えた時のキャリアのモビリティーとライフタイムの変化を観察しており、I-V特性の変換効率とCELIVの電荷総量に相関があることを示した。