2012年エレクトロニクスガス・機器巿場分析 大型液晶と薄膜シリコン向け激減 国内の大型設備投資消滅 13年は需要回復に期待

摘要

2012年の日本のエレクトロニクスガス・機器巿場は、リーマンショック以降、最低水準に陥った。ガス需要(数量べース)はバルクガスで10%前後、特殊材料ガスは15～25%、関連機器・工事は30%それぞれ落ち込んだ。最大の要因は、シャープ堺、パナソニック姫路に代表される大型液晶パネルの不振と薄膜シリコン太陽電池の消滅によるものである。この両分野は窒素、水素などのバルクガスからモノシラン、三弗化窒素などの特殊材料ガスの爆発的な需要を生み出すものと期待されていた。特にモノシランは、シャープ堺において将来的に大型液晶パネルと薄膜シリコン太陽電池の併産によって年間1000t規模まで成長するとの見通しから、日本だけでなく韓国、米国、ョーロッパでもメーカーの新規参入や増産計画が推進された。ところが、これがバブルのごとく弾けた。10～11年のモノシランの国内需要は540tと高水準で推移したが、12年は323tと40%もの大幅な落ち込みとなった。