大気汚染で新型コロナ重症化メカニズムの一端を解明京大の研究グループPM2.5がコロナウイルスの細胞侵入口を拡大

摘要

大気汚染が新型コロナウィルス感染症の感染拡大につながっている。京都大学大学院地球環境学堂の高野裕久教授、佐川友哉·工学研究科特別研究学生らの研究グループは、日本の都市中の大気から集めたPM2.5やPM10などを暴露したマウスの2型肺胞上皮細胞では、ACE2タンパク質と酵素のTMPRSS2が数十倍になることを明らかにした。高野教授は「今回の曝露量は多いため、日本の大気環境では大きな影響はないと考えられるが、東南アジアなど一部地域では、TMPRSS2の抑制効果を持つ薬剤を、予防的に投与するといつた対応が求められる」と話している。Environmental Researchに掲載された。