農地土壌の炭素量が多いと穀物生産の干ばつ被害減少

摘要

農研機構農業環境変動研究センターの和穎朗太上級研究員と飯泉仁之直主任研究員らの研究ダループは、世界の穀物収量と土壌データを解析し、乾燥地域を中心とする世界の7割の農地では、土壌の炭素量が多い場所では干ばつ被害が抑制されていることを明らかにしたと発表した。世界の主要穀物の収量データと土壌データをくみあわせ、農地土壌の表層30センチメートルまでに含まれる炭素量と穀物の干ばつ被害との関係を解析。土壌炭素を増加させることで、干ばつ年の穀物生産額を最大16%増加できる可能性があることを示した。土壊炭素を増加させるような農地管理が、特に土壌炭素が乏しい乾燥地域で効果を発揮することがわかった。成果は国際オンライン科学誌「Scientific Reports」2月6日に掲載された。