チリ·ラテンアメリカ共同研究拠点

摘要

大腸癌死亡率の急激な増加に悩むチリ共和国の要請を受けて、2009年7月チリ保健省並びにチリ大学先端研修病院であるラス·コンデス病院(CLC)と本学による三者協定を締結した。さらに、中南米地域において広く教育·研究·国際貢献を展開する目的で10年4月チリ·サンティアゴに研究拠点(LACRC)を開設し、現在本学教員3名(消化器内視鏡医、病理医、分子生物学研究者)が拠点活動を行っている。LACRCではプロジェクト推進に向けて、環境整備や大腸癌診断·治療の標準化、大腸内視鏡医の育成に取り組んでいる。13年までに、サンティアゴ、バルパライソ、プンタアレナスの3都市で計7500人に対して大腸癌スクリーニングが実施され、60人余りに癌が見つかるという良好な結果が得られている。さらに14年にはコキンボ、オソルノ、アントファガスタの3都市で新たにスクリーニングが開始予定である。国立サン·ボルハ·アリアラン病院にある日智消化器病研究所では、チリ保健省の支援で内視鏡研修施設が開設され、本学とCLC教員の指導のちと若手内視鏡医の育成が行われている。