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摘要

肺ガン幹細胞と線維芽細胞(非ガン細胞)との間のシグナル伝達リンクが明らかにされた。この成果は、線維芽細胞を標的として肺ガンを治療する新薬の開発に役立つ可能性がある。肺ガンの場合、ガン幹細胞が従来の治療法に抵抗性を示すことが多い。ガン幹細胞が腫瘍中で生き続ける過程を解明することは、ガン幹細胞を死滅させる新たな方法を開発するために重要である。P-C.Yang、H-W.Chenらはこのほど、実験室で、肺ガン幹細胞と線維芽細胞を共培養した。線維芽細胞は、腫瘍に随伴した状態で見つかることが多い。今回の実験で、線維芽細胞が、シグナル伝達機構を介して、腫瘍細胞の幹細胞的特徴を支援していることが明らかとなった。そして、実験室内でこのシグナル伝達経路を遮断したところ、腫瘍細胞のガン幹細胞的特徴が減少した。さらに、ヒト肺ガン細胞の検体を調べた結果、このシグナル伝達経路の特徴を示す線維芽細胞と腫瘍の生存率が低いことが判明した。この研究で得られた新知見は、このシグナル伝達経路と線維芽細胞を標的とすることが肺ガンの治療に役立つ可能性を示唆している。(ネイチャー·コミュニケーションズ電子版)。