栽培キノコの無胞子性品種 育成に有効な遺伝子を発見 鳥取大の硏究グループが成果

摘要

鳥取大学農学部の奥田康仁教授と松本晃幸教授らの研究グループは、食用キノコのウスヒラタケにおいて生産現場で健康被害の原因になる胞子をつくらない無胞子性品種を育成するのに重要な遺伝子「stppl」を発見したと発表した。胞子のできない突然変異株の原因遺伝子を突き止め、同遺伝子に特定の欠失があり正常に機能しなくなることで無胞子性を示すことを明らかにした。同遺伝子は減数分裂時の組み換えに関わる遺伝子で、ウスヒラタケ以外のキノコでも無胞子性の指標として利用可能だとみられている。成果は10月12〜13日に鹿児島大学で開催された日本育種学会第124回秋季大会で発表された。研究は農林水産省の「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」で行われた。