ストローキングに関わるニューロン

摘要

有毛皮膚へのマッサージ様ストローキングを検知するC繊維のイン·ビボでの遺伝学的同定について、カリフォルニア工科大のS.Vrontou博士らが報告している。(ネイチャー7434号)皮膚をなでること(ストローキング)は、グルーミングなどの同種間での社会的相互作用で起こるような快感をもたらす。多くの生理学的研究があるにもかかわらず、イン·ビボで有毛皮膚の快適なストローキングを検知する感覚ニューロンの分子的同定の報告はない。米国の科学者らは以前に、マウスでGタンパク質共役型受容体MRGPRB4を発現する無髓の感覚ニューロンのまれな集団を見いだしている。これらのニューロンは、皮膚有毛部にのみ存在しており、ヒトのC-触覚求心繊維の受容野と類似した広い末端分枝を持つ。分子的に同定された他の機械的刺激受容C-繊維サブタイプと異なり、MRGPRB4プラスニューロンでは、エックス·ビボで皮膚に感覚刺激を与えても検出できるほどの活性化はみられなかった。