高空間分解能で高感度革新的X線顕微法開発

摘要

大阪大学大学院工学研究科の高橋幸生准教授、理化学研究所播磨研究所放射光科学総合研究センターの石川哲也主任研究員らの研究グループは、高い感度と高い空間分解能をもつX線顕微法の開発に成功した。試料によるX線波面のゆがみ(位相シフト)を測定することによって、X線の吸収の小さい試料であっても観察することができる。これは、X線位相コントラストイメージングと呼ばれ、特に、他の観察手法では観察が困難な生体軟組織への応用が期待されている。高橋准教授によると「X線位相コントラストイメージングの感度と空間分解能にはトレードオフの関係があり、それらの性能を併せ持つX線顕微鏡は存在しなかった」という。