第5期科学研究技術基本計画で科研费改革ヘ

摘要

科学研究費補助金は、人文社会系から自然科学系までのすベての研究分野を対象とする最大の競争的資金で、日本の学術研究の基盤を支えてきた。大正7年に創設した科学研究費奨励金制度を基礎として発展してきた90年以上の歴史のある研究費であり、戦後の動乱期を除いて昨年度まで右肩上がりに配分額は増えてきたが、今年度予算で初めて配分額が減少した。一方、大学や研究機関の基盤経費が減少する中、研究の科研費への依存度は年々高まってきたため、少額研究種目への申請数が急増し、審査システムへの負担はピークに達している。さらに分野融合や国際ネットワークの形成など、科研費に求められることも多様化している。こうした背景のもと、科研費制度を再来年度から始まる第5期科学技術基本計画で大幅に改善するための検討が進んでいる。