ダム造成後の河川環境 砂礫河原の樹林化目立つ

摘要

ダムの造成による流量調節が生物に及ぼす影響に関しては、河川の内部環境を対象に短期的な視点から調査されてきた。北海道大学大学院農学研究院の中村太士教授らの研究グループはこのほど、ダムが造成された河川とダムがない河川で、空中写真と衛星画像を用いて、河川周囲の陸域環境を、数十年前と現在で調ベた。その結果、ダムがない河川では陸域環境に大きな変化がみられない一方で、ダムが造成された4河川のうち2河川では砂礫河原に樹木が侵入し、砂礫河原が樹林地に置き換わる「樹林化」が生じていることが明らかになった。