抗ガン剤治療による吐き気軽減

摘要

がん研究会有明病院薬剤部の鈴木賢一副部長らの研究グループは、抗ガン剤であるシスプラチン(CDDP)レジメンの投与に伴う吐き気や嘔吐が、これを防ぐために処方される5HT3受容体拮抗薬(5HT3RA)に「パロノセトロン」を選択することで従来より軽減できることを臨床研究で明らかにしたと発表した。パロノセトロンは従来の5HT3RAより長期間効果が継続するものの、価格が4-5倍高価で、あえて使用する科学的根拠は少なかった。パロノセトロン投与により、抗ガン剤投与後24時間以降のCDDPレジメン投与による吐き気や嘔吐を軽減できる可能性が証明された。より効果の高いガン治療につながる成果と期待される。成果はガン研究専門誌「Annals of Oncology」で6月29日、公開された。