高次脳領域に豊富に存在 グルタミン酸受容体 GluD1 シナプス形成を制御

摘要

グルタミン酸は、脳における興奮性シナプス伝達の主要な伝達物質であり、神経情報の生成と伝達、脳の可塑性、シナプス回路発達などで重要な役割を果たしている。これを伝えるグルタミン酸受容体の中にほ、グルタミン酸との結合能を失い、シナプス伝達機能が消失してしまった分子ファミリー(GluDファミリー)が存在する。北海道大学大学院医学研究科の渡辺雅彦教授、今野幸太郎助教らの研究グループは、慶應義塾大学医学部の柚崎通介教授、新潟大学脳研究所の崎村健司教授らと共同で、GluD1が大脳や小脳といった高次脳領域に発現し、シナプス回路の結合性を強化することを初めて明らかにした。