藤森敬三の「環境経営」道場 第31回: 経団連の自主行動計画の是非

摘要

日本経団連は1997年，京都議定書に対応するため独自の温暖化ガス削減計画を策定した。鉄鋼や電力などの主要産業が出すCO_2の排出量を，「90年度以下に抑制する」という統一目標だ。これが「自主行動計画（目標）」である。会員企業はこの統一目標に基づき削減活動を進め，確かに2000年から07年までの8年連続上記目標を達成した。しかし，06年度から2年連続で増加に転じた。その結果，07年度の日本の総排出量は，原発の稼働率低下もあり90年比8.7%増となった。