気候変化が土砂災害の素因・誘因に及ぼす影響

摘要

2009年の台湾での台風MORAKOT災害や2011年のわが国での台風12号災害など，極端な豪雨による大規模な土砂災害の発生がわが国をはじめ諸外国で見られる。両災害では，非常に多量の稔降雨量の結果，深層崩壊が多発し，天然ダムの形成と決壊が被害を助長し，また大きな社会問題にもなった。これらの災害を引き起こした豪雨は地球温暖化と関係しているかもしれないが，これについて明確に分析がなされているわけではない。しかし，気候変動により，このような極端豪雨の発生頻度が増大すれば今後の土砂災害の激甚化が予想され，このような極端豪雨にも有効な土砂災害の対策を確立しなければならい。