リサーチ·ダイジェスト

摘要

安全性とコストを考慮できる軌道の維持·管理を目的として，画像解析による沿線環境のハザードセンシング技術の開発を行いました。また，センシング結果とリスク推計モデルを使用し，軌道変位管理を対象としたリスクベースメンテナンス法を開発しました。その結果.営業列車の前頭画像データを解析し，沿線の物体や距離を認識して，脱線後の車両の構造物等への衝突や転落など，脱線事故時の被害を拡大させるハザード要因の抽出が可能となりました。また，ハザードセンシング結果を撮影された画像や設備台帳の情報とともに表示するビューァにより，沿線のハザード分布を視覚的に把握できます。さらに，軌道変位保守費と脱線事故時の想定被害規模を考慮して，軌道変位の管理値と検査周期の適正値を検討する維持·管理モデルを構築しました。本モデルにより，各線区や箇所において想定される脱線事故リスクを考慮した軌道変位管理を行えます。