EUの鉄道運営の成果と課題: 日本の鉄道運営との比較から

摘要

EU域内においては、EU指令が定める規定に従って鉄道運営を行う必要がある。このため、上下分離の導入を柱とした規定への対処方法は各国で異なるものの、EU諸国の鉄道運営は他国の鉄道と比較すると大きな特徴を備えていると言える。一方で、EU以外の国々においても上下分離の事業形態を導入して、鉄道が整備あるいは運営される事例が増えつつある。日本においても国鉄改革後の整備新幹線や、都市鉄道等利便増進法による施設整備の制度とともに、近年は不採算の地域鉄道の維持存続にあたっても上下分離の事業形態への再構築を前提とした補助制度が整えられている。