海外勢との競争に対抗へ成長見込めない事業を売却

摘要

日立製作所が画像診断機器事業を富士フイルムに、上場子会社の日立化成を昭和電工にそれぞれ売却する方針を決めた背景には、収益重視の選択と集中を加速したいという狙いがある。ITとインフラなどの成長分野に経営資源を集中し、独シーメンスなど海外勢との競争に勝つ体制づくりを急ぐ方針だ。日立は22年3月期までの中期経営3カ年計画で、19年3月期に9兆4800億円を計上した連結売上高を3年後に10兆円以上に、売上高営業利益率を8%から10%超に引き上げる目標を掲げている。今回の事業再編もその一環。IoTの共通基盤「ルマーダ」との相乗効果、単独での生き残りという観点で今後の成長が見込みにくい事業について、売却の判断に踏み切つたと見られる。