関西地域の住宅における冬期の実態調査による中立温度・許容範囲の算出

摘要

温暖化対策は政府や企業だけでなく，一般家庭にも求められている。政府は夏期と冬期の空調に費やされるエネルギーが膨大であることから，住宅・ビル等の室温を冷房中は28℃以上，暖房中は20℃以下にするよう，適切な空調管理を行うことを要請している。空調管理では，ISO7730や空調オフィス環境の基準であるASHRAE Standardなどの，実験室実験をもとに定められた許容範囲などが用いられている。しかし，実態調査の方が実験室実験よりも居住者はより広い温度の幅を許容することが報告されており，この差異の原因の1つに居住者の適応行動がある。