偏心および浮き上がりを考慮した球面すベり支承の振動台実験

摘要

Although rubber bearings are popular for seismic isolation bearings in Japan, Spherical Sliding Bearings (SSB) or Friction Pendulum Bearings (FPB) are also widely used in many countries including U. S. In this paper, shaking table tests on braced frame supported by SSB are carried out, and their dependency on pressure and velocity is examined. Also tests with the eccentric dead loads are conduted, in order to capture lift-up actions at bearings and their performance. Analytical models taking pressure and velocity dependency into accounts are proposed, and their validity against the experimental results are discussed.%我が国において免震構造アイソレータとしては積層ゴム支承が一般的に用いられているが，米国においては1990年代初頭より球面すベり支承(Spherical Sliding Bearing: SSBまたはFriction Pendulum Bearing:FPB)が実用化され，多くの免震構造に適用されている。SSBは一般的に，ゴンケイブプレートと呼ばれるステンレスの球面上にテフロン系の表面を持つスライダーを設置して滑らせる免震装置であり，振り子運動による復元機構と，摩擦力を用いた履歴減衰機構を有している。また，コンケイブプレート曲率により長周期化を実現する。スライダーが片側の板に固定され，対の球面上を滑るシングル形式に対し，独立したスライダーが上下のコンケイブプレート球面間に挟まって配置されたダブル形式はコンケイブプレート直径に近い片振幅変形能力を有するため，最も普及している。軸力の小さな支承部では変形能力と長周期化の両立が困難な積層ゴムに対し，支持重量と無関係に固有周期を決定でき，コンケイブプレート径により最大変形量を調整できるSSBは，軽量の屋根構造や住宅の免震化に適している。海外では空港の屋根構造支持部にSSBを挿入したり,ターミナルビル全体を免震化する事例に用いられている。