鉄道駅におけるサイン盤面内の矢印が利用者の方向判断に及ぼす影響: 誘導サイン内の矢印の向きに着目した基礎的研究

摘要

The purpose of this study is to investigate effects of the direction judgment of users, based on the arrow of directional sign at the station. For that purpose, we conducted an experiment with only "straight arrows" and "polygonal arrows" as the experiment elements of the space. As a result, in both of "straignt arrows" and "polygonal arrows", the force of the downward indication was weaker than the upward one, and it was difficult to understand. Also, as for "straight arrows", it could be easy to confuse the direction of a plan indication and an elevation indication.%本稿では「直線矢印」、「折れ線矢印」それぞれの矢印のみを空間構成要素とした被験者実験を行い、誘導サイン内の矢印が利用者の方向判断に及ぼす影響を明らかにした。得られた知見を以下に整理する。①8種類全ての「直線矢印」の向きによる方向判断は、立面方向より平面方向で解釈する傾向がみられる。②下向きの「直線矢印」は特に利用者の方向判断に迷いを生じさせる可能性がある。③ 「直線矢印」のうち、右向き•左向き以外の矢印において「平面方向と立面方向の判断がつかない」ことが方向判断に迷う理由として最も多い。④「折れ線矢印」のうち、一部の上向きの矢印は特に方向•進行ルートを指示する力が強く、利用•理解しやすい。⑤下向きの「折れ線矢印」は特に方向•進行ルートを指示する力が弱く、利用者の迷いを生じさせる可能性がある。⑥8種類全ての「折れ線矢印」において「曲がるまでの距離がわからない」ことが進行ルートの判断に迷う理由として最も多い。⑦一部の「折れ線矢印」において、場合によっては鉄道事業者が想定していない立面方向で解釈される可能性がある。⑧Uターンの形状をした「折れ線矢印」における"後進"の指示は適切に機能していない可能性がある。