高炉スラグ高含有セメントのSO_3量が火災時の爆裂抵抗性に及ぼす影響

摘要

コンクリート構造物のCO_2削減を目的として，高炉スラグやフラィアッシュなどの各種混和材を用いた混合セメントの利用や混和材を多量に利用したコンクリートの研究開発が進んでいる。近年では，更にCO_2削減を目指して，高炉スラグ混合率が40%程度である従来の高炉セメントB種よりも高炉スラグの混合率を60〜70%まで高めた高炉セメントC種相当のセメントの材料設計や実用化研究が検討されている。実工事に使用するための高炉スラグ高含有コンクリートの実用化の課題は，収縮ひび割れが発生しやすいことであると捉え，この問題に対し，せっこうの添加により結合材中の三酸化硫黄量（以下，SO_3量）を増加させることで，初期強度の増加および乾燥収縮と自己収縮を低減し，高炉セメントの収縮ひび割れ抵抗性を向上させる材料設計がなされている。また，コンクリートの拘束ひび割れ試験の実施により，引張強度発現性状ゃクリーブ性状を考慮した鉄筋拘束下のひび割れ抵抗性についても，SO_3量を通常の2%前後から3.5%まで増加させた高炉スラグ高含有コンクリートを用いた拘束ひび割れ試験による検討がなされ，収縮ひび割れ抵抗性が向上されることが確認されている。%This paper can be summarized into the following three main points. 1. The increase of sulfur trioxide (SO_3) amount in high volume blast furnace slag cement may lend to a higher probability of explosive spalling in fire. 2. The stronger tendency for explosive spalling to occur as the amount of SO3 increases may be due to the increased vapor pressure inside concrete caused by dehydration of ettringite hydrate product in the temperature range of 100-140℃. 3. The add of 4% or less SO3 can achieve good explosive spalling resistance for the concrete using high volume blast furnace slag cement.