高炉スラグの粉末度と石こう量が高炉セメントの水和発熱特性に及ぼす影響

摘要

高炉セメントの水和熱（溶解法）は普通ボルトランドセメントより低いが、断熱温度上昇値では、同じ単位セメント量の場合でも、普通ボルトランドセメントより高炉B種セメントのほうが、むしろ高い場合もある。ここでは高炉スラグの水和反応の温度依存性に着目し、検討を行った。60℃養生の高炉セメントの水和熱の測定を行い、通常の20℃水和熱（JIS）と対比した。20℃養生と60℃養生の水和熱の差は高炉セメントのほうが大きい。60℃養生での水和熱は断熱温度上昇備によく対応する。高炉セメントの断熱温度上昇量の抑制には、高炉スラグの粉末度の低下、高炉スラグ置換率の増加、石こう量の増加が有効である。