一軸二舵船の舵に取り付けた水平フィンの設計について

摘要

一基のプロペラに二枚の高揚力舵(シリング舵)を配する構成の"ベクツイン"舵は優れた操船性能を評価されている.このシステムの推進性能を改良するために,二舵の内側に水平フィンを設けて,プロペラ後流を利用して得たフィンの揚力の船首尾方向成分を前進推力として,推進性能を改善するシステムが採用されている.一軸一舵の推進性能改良については,乾等の舵による抵抗推進性能の改善,プロペラ後流の利用による性能改良にっいては,谷口などの反動舵への応用,石田の放射状のフィンによる回収などで基本的な研究がなされてきた.しかし,一軸一舵の場合は、プロペラの真後ろに舵が存在し,舵自体がプロペラ後流ェネルギーをある程度回収しているため,さらにフィンなどの付加物の効果を上げるためには,模型試験やCFDによつて時間と労力を費やす必要がある.