鉄道橋のPC桁の設計: 道路橋との違いについて

摘要

国内において鉄道橋，道路橋にプレストレストコンクリート構造(以下，PC構造)が採用されて60年以上が経過し，近年では,おのおのの支間長が100mを超えるものが多数建設されている。両者においてPC構造の根幹に関わるプレストレッシングの考え方については,フレシネー方式などに代表されるとおり，大きな差異は無いが,おのおのが支持する活荷重の特性により，衝撃係数やたわみ値の制限値など，設計手法において独自の発展を遂げてきた。これらの背景より,本稿では，鉄道橋，道路橋のPC橋の設計に携わる技術者に向け,両社の設計に用いる活荷重，応力度の制限,たわみ値の制限の違い,また，これらに伴う支間長-桁高の違い,適用される桁種の違いについて整理し,今後の構造計画における基礎資料とした。