推論に基づく論理的な思考の力を育む

摘要

単語を適当に繋いでお話しするようになった幼児もいつしか文法や構成を学習し、文章が書けるようになる。研究者になる過程と似ていまいか。単語は学習した知識、文法は推論の仕方、構成は科学的な考え方（論理的な思考）に相当する。このたとえで言えば、今の理科教育は文法を教える時期が遅い。それはあまり取りざたされない理科の課題と言えるが、本稿ではそのわけを解説し、とくに高等学校からの授業方法の工夫を念頭に解決の糸口を提示してみたい。