農業におけるG空間ビッグデータ収集•分析•活用による高度営農支援プラットフォームの構築

摘要

わが国の食料生産基盤は脆弱であり，食料自給率(熱量ベース)は40%に過ぎず先進諸国の中で最低である。また，農業就業者人口は1990年には482万戸であったのに対して，2010年には260万戸と過去20年間で54%にまで激減した。加えて，農村地域では，若年層の流出により，2010年の基幹的農業従事者の平均年齢は65.8歳になり，労働力不足は深刻な状況にある。コメを含む農産物の輸入自由化が進む中で，国際競争力を確保するために，今まで以上の品質の向上や生産コストの削減が求められており，国内農業の構造改革とあわせて革新的な技術開発により，一層の品質の向上や生産コストの削減を図ることが喫緊な課題となっている。我が国の食料生産拠点である北海道においても農家戸数は2000年から2010年の10年間で30%減少し，平均経営耕地面積は1.3倍に拡大した。この傾向は今後更に加速し，2025年の農家戸数は現在よりも40%減少し，1農家当たりの平均経営耕地面積は1.5倍まで拡大すると予測されている。この問題を解決するために，農地の集積化や高能率機械体系の導入による生産性の向上，新規就農•異業種参入の促進が重要である。