医薬品輸送における位置情報活用•温度トレーサビリティー

摘要

昨年末，厚生労働省は医薬品の適正流通に関するガイドライン（いわゆる日本版GDPガイドライン）を発表した。これは，工場出荷後の医薬品が消費者に届くまでの流通過程においても，卸売販売業者等の事業者が適正に管理を行い医薬品の完全性を保持するための手法について定めたものである。医薬品の製造過程だけでなく，流通過程においてもその完全性を保持するための取組みが必要であるというGDPの考え方は，これまで欧米を中心に提唱されてきた。ガイドラインであるため法的な拘束力を持たないが，医薬品の保管や輸送業務に携わる日本国内の物流事業者も本ガイドラインの制定趣旨に従つた対応が求められるようになり，医薬品輸送における温度トレーサビリティーも盛り上がりをみせている。