刺繍の技術による構造に基づいて自由に成形できる編地

摘要

従来の刺繍は、布を装飾するための技法で、カーテンやテーブルクロスの飾り付 けに任用されていた。しかし近年になって、ケミカルレースを応用して、3　次元組織 が成形できるようになった。ケミカルレースは、水溶性の基布に刺繍を施した後、薬 品や水によって刺繍糸を残して、基布のみを溶解する技法である。これにより刺繍 の技術は、繊維以外の分野へ応用されるようになった。とくに医学やバイオニクスあ るいはエレクトロニクスの分野で広く利用できる可能性がある。医学の分野では、傷 パッドとしてすでに利用されている。また、埋込み用の人工軟骨組織としても有望で ある。さらに知的衣服において、人体の反応を監視するための部品としての利用が 期待される。