海中探査機が'視る'海底の姿: 海中3Dレーザースキャナーの開発

摘要

海底を理解する。この世界共通の取り組みでありながら，未だ解き明かされない課題の難易度を上げる大きな要因は"海水"にある。粘性流体である海水のレシピは，その海域，深度域により異なり，更に季節，天候に応じて変化する。地球表面の約7割をも占有する海洋を構成し，地球上を広く繋ぐ媒体でありながら，どの海域の海水もそれぞれ異なる。この膨大な海水とそれに伴う水圧に守られ，我々の接近を阻む先にあるのが海底である。海底の多くは人為的に操作をされることなく，地球原始からの姿を変化させつつ現在に至る云わば"地球の記録"でもある。