IoT応用技術としてのカメラ受信型可視光通信技術の開発

摘要

筆者らがモノとインターネットに関する技術の開発に着手したのは，1995年のことである。当時，規格化が始 まったDVDのROMディスクに1枚毎に異なるIDを記録 するBCA技術を考案し規格化（DVD,その後Blu-ray) した。このBCAを用いてィンターネットを介して使用 者が持つDVDディスクのコンテンツの暗号を解除する 配信サービスが米国で商用化された。2000年には，携帯 電話やスマートフォンの画面に二次元バーコードを表示 させ，これを劇場の入口や旅客機の搭乗口でバーコード リーダーでIDを読み取り，チェックしたり利用者に様々 なサービスを提供するシステムを考案し開発した。こ の技術は世界の空港の搭乗口で搭乗者チェックなどに広 く使用されている。2006年にはIDが記録されたNFCを 家電製品に搭載し，携帯電話でこのIDを読み取り，イ ンターネットを介して携帯電話にIDに紐付いたサービ スを携帯電話に提供するという今日でいうIoT技術を先 取りした技術を開発した。2012年8月に，この技術を白 物家電に搭載し世界で初めてのクラウド連携家電製品で あるスマート家電シリーズとして，電子レンジ「NE-R3500」,饮飯器「SR-SX102」,冷蔵庫，洗濯機，健康家 電など10品目を商品化した。このとき，エアコンだけ NFCに代わり特定小電力無線を搭載した。エアコンは高 所に取り付けてあるため，使用者がNFCを読み取ること ができなかったからである。ただ，コストダウンの観点 から，エアコンにとりつけられた表示用LEDを共用でき る可視光通信を使うことを試みた。この結果今回の光ID 技術の開発に至った。