3.0Tesla高解像度MR画像からの脳領域抽出

摘要

現在，全世界で数百台稼動している3.0TeslaのMRIは，これまでの1.5Teslaよりも短時間に空間解像度の高い画像を得ることが可能であり，今後も広く普及することが多いに予想される．この3.0TeslaのMR画像から脳領域を抽出する場合，脳とそれに隣接する硬膜との分離という特有の問題が出るが，従来手法では3.0TeslaMR画像を対象とした抽出手法ではないことからそのまま適用しても解決することができない．そこで本研究では，3.0TeslaMR画像から脳領域のみを確実に抽出するために，エッジ抽出処理による不要画素除去や，あらかじめ限定した処理範囲内でRegion Growingによる隣接領域への誤抽出を防止した領域抽出を行う．提案手法を実データに適用した結果，高精度な脳領域が取得でき，臨床的にも十分なレベルで抽出されているとの医師の評価が得られた．