iSCSIストレージアクセスにおけるTCPふくそうウインドウコントロール手法の提案と性能評価

摘要

計算機システム等で使用されるデータ量の増加に伴い，ストレージを効率良く管理する必要性が高まっている．SANを利用することによりデータの一元管理が可能となり，管理コストの面においても大きな成果を上げている．TCP/IPネットワークを利用したIP-SANの標準プロトコルとして注目されているiSCSIは，高遅延環境における大幅な性能劣化が確認されており，効率的なストレージアクセス手法の実現が期待されている．本論文では，TCPパラメータであるふくそうウインドウをコントロールする手法により，ストレージアクセスの効率化を目指す．InitiatorとTargetを1対1及び多対1で接続した環境に提案手法を適用することにより，iSCSIストレージアクセスの性能向上やスループットの均一化を実現することが可能となった．また，各Initiatorに対し適切なふくそうウインドウを割り当てることにより，より対応範囲を広げた制御を可能とする．