インクジェット技術で製造革新セイコーエプソンが装置事業に本腰: 回路パターンを直接描画する量産装置の開発も視野に

摘要

セイコーエプソンが，民生用プリンタ事業で培ったインクジェット技術を土台に，製造装置事業を新機軸として打ち出そうとしている。2005年，自社のプロジェクタ向け液晶パネルの配向膜形成工程に，量産ラインでは初めてのインクジェット製造装置を導入。翌2006年には，シャープの液晶テレビの生産拠点である亀山第2工場に，カラーフィルタの製造装置を納入した。シャープへの納入を契機に，セイコーエプソンは製造装置事業を積極的に展開する。具体的には，スクリーン印刷やフォトリソグラフィからの置き換えを狙う。いわば「既存製法の否定」（同社取締役で生産技術開発本部長の碓井稔氏）だ。