「部屋免震」で国宝を守る

摘要

奈良・東大寺の「東大寺総合文化センター」が竣工した。センター内にある展示室には、日本初上陸となる米国式の免震技術を導入した。これまでの常識を覆す薄型、軽量の免震装置が、地震から国宝を守る。コンパクトで安価な米国式の免震装置が、日本に初上陸した。米国カリフォルニア州に本社を置くEPS社（Earthquake Protection Systems，Inc．）製の摩擦振り子支承（FPS）だ。仁王像で有名な東大寺南大門の隣地に建つ「東大寺総合文化センター」に導入した。展示室に用いた12基の免震装置は、直径約45cmで、厚さはたったの14cm。運送費込みの価格は1基当たり約31万円にすぎない。